学会長挨拶

 日本農業教育学会は,農業教育についての学術的成果を高めるとともに,農業教育の具体的興隆を図ることを目的として,1964年に創設されましたので,本年で59年を迎えます。会員数250名程度の学会ですが,農学系・教育系などの大学,高等学校,小中学校,幼稚園,特別支援学校の教員だけでなく,生産者,消費者,農業関連産業や研究機関の関係者各位で構成されていて,食農教育,環境教育,栽培および飼育学習,栽培および飼育技術,加工,流通,セラピー,食文化など,幅広い内容が取り扱われています。
 日本農業教育学会が主催するコンクールでは,農業高校生全国意見文コンクールが22回目を迎えるに加え,栽培・飼育教材開発コンクールも軌道に乗ってまいりました。これらはすべて関係者各位および会員の皆様のご尽力のおかげです。
 さて,新型コロナ感染拡大防止のための種々の有効な対策が講じられ,社会活動,経済活動がずいぶん活発化してまいりました。会員の皆様方におかれましても,様々な工夫をされながら,研究,教育,地域貢献などにご努力されていることと拝察いたします。このようななかで,2023年4月1日より日本農業教育学会の新執行部がスタートいたしました。私自身,渡辺慶一前会長のもとで副会長を務めさせていただいたものの,活動期間も浅いうえ,コロナ禍で積極的な活動は思うようにできませんでしたが,微力ながら会長を務めさせていただきます。
 新執行部では,小松崎将一先生に筆頭副会長として意見文コンクール審査委員長をお願いいたしました。平尾健二先生および三島孔明先生には引き続き副会長を務めていただき,それぞれ栽培・飼育教材開発審査委員長および広報を担当していただきます。編集委員会委員長には鬼頭誠先生,男女共同参画委員会委員長は井上博茂先生にお願いしました。小池安比古先生に庶務幹事,實野雅太先生に会計幹事をそれぞれ務めていただきます。また,監査は森太郎先生と水野真二先生がお引き受け下さいました。皆様,どうかよろしくお願いいたします。
 講演会(第81回日本農業教育学会大会)は2023年9月23日(土)~24日(日)に千葉大学松戸キャンパスにおいて実施予定です。現在,三島孔明先生のもとで準備をすすめていただいておりますが,本講演会を皆様の研究成果の発表の場としていただければ幸いです。
 社会情勢が目まぐるしく変化するなかではございますが,社会の動向や要請に対して,前向きにかつ適切に取り組み,会員の皆様のご活躍の場をさらに拡げていくことを目指して邁進していく所存です。会員数増のための戦略,講演会のあり方,論文投稿数の飛躍的アップ,情報発信の迅速化などの問題が山積しておりますが,アットホームな雰囲気を大切にしつつ,皆様方のご協力をいただき,よりよい学会運営に努めてまいりたいと思っております。
 以上,先ずは就任のご挨拶にかえさせていただきます。2年間どうぞよろしくお願いいたします。

令和5年5月吉日
学会長 上地 由朗